2025年11月28日参議院・デジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会(大臣所信質疑)「デジタルとアナログの両輪 全ての主権者のための選挙に今すぐ変えろ!」
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- 12月1日
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〇奥田ふみよ君
れいわ新選組の奥田ふみよと申します。私は、今回の参議院議員選挙で初めて国会議員になりました。それまでは、ピアノの講師をしていた普通のお母さんでした。私が国会議員になろうと思ったのは、どこの子どもも笑って暮らしてほしいからです。
どこの子どももひもじい思いをしない、親ガチャで苦しまない、そして、何よりも、再び政府の暴走により戦争という大量虐殺を起こさせない、子どもたちを死なせたりしない、子どもたちに殺し合いをさせない、みんなで笑って暮らし続けていける社会でありたい。
そのために、私のような普通のお母さんが政治家にならんといかんと思い、今ここに立って大臣に質問させていただいております。今日は、傍聴席に、私たち大人よりももしかしたらデジタルに詳しい、未来世代の中学生や高校生の主権者たちが来てくれているんです。
通告はしておりませんが、松本大臣、大臣はなぜ国会議員になられたんですか。子どもたちに向けて、手短に、端的にお答えください。
〇国務大臣(松本尚君)
よく聞かれる質問なんですけれども、皆さんもコロナで苦労された経験があると思います。私も医師として千葉県庁でコロナのいわゆる対策の指揮を執っていたんですけれども、なかなか法律の壁というのがありまして、早くいろんなところに医療を届けるとか、あるいは逆に、ベッドとかお医者さんを確保するというのは、これはなかなかルールができなくて、皆さんにお願いをしながら進めなきゃいけなかった。ルールをとにかくつくらなきゃいけないのに、ああいったバタバタした状況でなかなか簡単にルールがつくれなかったと。
そうなりますと、やはりこういった場でしっかりとしたルールをつくる、制度をつくる、そういう仕事をしていかないと、ああいった国家の緊急事態に国民の生命と命は守れないだろうというふうに思ったというのが一番大きな原因でございます。
〇奥田ふみよ君

ありがとうございます。ところで、デジタル庁、2021年に創設されて、ただいま5年目に入ったところですよね。そもそもデジタル庁って何でできたの?というきっかけなんですが、大臣所信でも真っ先に言及していらした、マイナンバーカードありきでつくられた庁ですよね。なんか私は、デジタル庁の生まれ方そのものが間違っているんじゃないのかなって、最近までイチ市民だった奥田ふみよは言わざるを得ません。
といいますのも、初めてデジタル大臣になった河野太郎さん、突然紙の保険証をなくすと言い出して、現行の紙保険証をなくす考えは全くないと、全体の奉仕者の立場とは程遠い、権力濫用的な発言をされていました。それにより、紙の保険証で全く困っていない国民から、さらには町のお医者さんたちから、薬局の方たちからも猛抗議ありましたよね。デジタルなのかアナログなのか、それを決めるのは一人ひとりの個人です。国がゴリ押ししてデジタル庁までつくって、国民の選択の自由、奪っていいんですか。
今、4千万人余りの人がこのマイナ保険証を持っていないんですよ。私も持っていません。なぜ作らないのか。ハッキリ言いますが、政府が信用できないからです。だって、松本大臣のいらっしゃる高市政権、副大臣や政務官に自民党から裏金議員が8人も紛れ込んでいますよ。
話戻します。河野太郎さんが紙の保険証をなくすと言って強硬発言したために、後に引けなくなって代わりに発行したのが、お手元の資料です、ご覧ください。

こちら、私と同じく政府が信用できないという仲間の、れいわ新選組、大石あきこ衆議院議員の健康保険証になります。もちろん本人のこれ許諾を得てお示ししておりますが、これは上下ほぼ同じの記載なんですけれども、これ、上が元々の保険証です。下が新しい保険証。1か所のみが変わっているの、お分かりですか。この左下に「被保険者証」とあるのが、「資格確認書」に変わっているだけです。これ、たった5文字しか変わっていないんですよ。あと全く同じ。これで紙の保険証をなくしたって言えるんでしょうか。本当にこれ子どもじみたやり方だと私は思います。
デジタル庁までつくって強制的に紙の保険証からマイナ保険証に変えて、これ一体誰が得したんでしょう。マイナ保険証を読み取る機器を開発した業者ですか?ここから自民党は企業献金でもいただいていたんでしょうか。
デジタルを進めるのはいいことですが、デジタル庁そのものの生まれが間違っていませんか。大臣所信でもおっしゃっていましたが、誰一人取り残されない、人に優しいデジタル社会の実現をミッションとしていらっしゃるのであれば、マイナ保険証やマイナンバーカードを作った人たちだけの手続きがスムーズになるのではなく、アナログを選んだ国民も全て取り残さないでもらっていいですか。誰一人取り残されないという意味で、一旦解体して新しくデジタル庁生まれ変わらせた方がいいんじゃないかと私は思います。
それでは、本題ですが、主権者教育のために、超アナログ選挙からデジタル選挙への転換について質問とご提案をさせていただきます。
私は、3年前の参院選は福岡選挙区から出馬、去年の衆院選は地元福岡3区から出馬、そして今年の参院選は全国比例と選挙を経験してきました。いわば、国政選挙をコンプリートしたとも言えると思います。
そんな中で、これおかしいやろ!と思うこと、たくさんあったんですよ。とにかく「選挙ポスター貼り」です。選挙のときに、紙に印刷した大量のポスターを人の手により木で作られた掲示板に1枚ずつ貼っていく。選挙区で立候補した人は、なんと1万か所に貼らなきゃいけないんです。
私の場合は、れいわの支持者の皆さんが100人体制で離島まで行ってくれて、なんとかかんとか手作業で貼り終えましたが、風で飛んだらまた貼り直さなきゃいかんし、こんなアナログの手作業、大量の人とお金がなければ無理です。
これ、昭和から何も変わっていないんですよ。しかも、この掲示板に58億円もの国費を投入しています。デジタル大臣、今のこのデジタルの時代に、このアナログの手作業と莫大な経費を、まさに早急にアナログからデジタルへと変えていかんと思いませんか。端的に、変える気あるか、ないか、だけでいいので、お願いいたします。
〇国務大臣(松本尚君)
選挙運動に関するお話になりますと所管外なものですから、ここで明確なお話をすることはできませんけれども、まずは、選挙については、一般論として、各党・各会派でしっかりとご議論をいただいた上で、どういう形で選挙をしていくか、まあ今お話あったように、いろいろと選挙ではここの皆さんも私も含めていろんな苦労があると思いますけれども、その苦労がなぜあるか、あるいは、何ゆえにそういった形がずっと残っているかということも踏まえながら、このルールというものを各党・各会派でできるだけしっかりと議論をしていただければよいのではないかというふうに思っております。
〇奥田ふみよ君
大臣、5年前に、デジタル庁、あそこまで権力濫用して強制的に紙の保険証からデジタルの保険証に鮮やかに変えた庁です。だけど、選挙ポスターは紙からデジタルに変えるかどうか、なのを国会議員に丸投げするんでしょうか。選挙ポスターのデジタル化、自民党にとって受益ないんですか。
今の選挙、金ありき、組織ありき、普通のイチ市民が立候補できないという仕組みにしっかり構築されちゃっているんですよ。全くもって市民の選挙になっていません。
1万枚もある、選挙区から立候補した人の選挙ポスターを貼る作業。資金力と組織力がある上級国民の皆さんだったらいいんです。でも、無所属や少数政党から出馬している候補者、特に普通のイチ市民、普通のイチお母さんにとってはとんでもない暴力選挙なんです。こんな貴族選挙自体も1回解体して、それこそデジタル庁が先頭に立ってデジタル化していかんと、日々の暮らしに追われた市民のための選挙にはなりません。
人に優しいデジタル社会実現のためにも、人に優しいデジタル選挙に変えんといかんのじゃないですか。そもそも、選管がポスターの板を設置するのだから、そのときに貼っておけばいい話じゃないんでしょうか。いろいろ課題は出てきますが、それでも今の立候補者に負担にしかならないんだったら、さっさと変えなきゃいけないんです。
そこで、提案なんですけれども、公式デジタル掲示板はいかがでしょうか。選挙管理委員会が運営する公的なウェブサイトやアプリで、全ての候補者が自分のポスター画像、政策要約、政権動画を同じフォーマットで掲載できる仕組みです。掲示板をデジタルにする。折り畳みができたり、丸めたり、雨にぬれても大丈夫という有機ELに変えるとか。大臣、デジタルの時代ですから、デジタルの時代に合った掲示板にさっさと変えましょうよ。
私のところには、10代、20代からの、未来世代の主権者から、3年間の活動で1万件以上を超える連絡来ています。デジタルに詳しい彼らの多くが、実は公営掲示板の存在すら知らないという人が多いんです。なんでか分かりますか。外を歩くときにも手元のスマホしか見ていないからです。デジタル庁は、こんな若者の手元のスマホに政治を届ける努力しなきゃいけないんじゃないんでしょうか。本来ならば、この時代にデジタル庁ができたんだから、デジタル庁が先陣切って、主権者教育を向上させるために、若者の政治離れを食い止めるために、若者が手放さない手元のスマホに政治を届ける努力しなきゃいけないんじゃないでしょうか。
私は、10代の子どもたちの母親としても非常に危惧しています。大臣所信で、政治の根幹である「子どもたちのために」という言葉が入っていませんでした。大臣は、デジタル庁が子どもたちのために存在しているんだというお気持ちありますでしょうか。「はい」か「いいえ」だけでいいです。お答えください。
〇国務大臣(松本尚君)
私も、一市民、普通の一市民、普通の一お父さんとしてこの場に立っておるつもりでございますので、そういう視点でこれから選挙運動をしっかりと考えていかなきゃいけないと思いますし、今ご提案のありました選挙のデジタル化については、どういった形が最も自由で、公平で、かつ表現の自由も確保した上で選挙が行われるかということを鑑みた上で、何をデジタル化をして、何をアナログのままでいいのかということはゆっくり考える必要があるものというふうに理解をしております。
〇奥田ふみよ君
大臣、若者たちはどっぷりデジタルの中で生きています。デジタル掲示板なら、有権者は、自宅のパソコンでもスマホでも、いつでも公平に全候補者の情報にアクセスできる。選挙期間中は、国が民間サイトと連携し、オススメに公営デジタル掲示板を上がってくるようにするのはどうでしょうか。これこそ、デジタルを国が活用し、少しでも若手に興味を持たせる仕組みだと思います。お年寄りはアクセスできんというなら、それこそ従来の掲示板を貼る場所を限定して残せばいいんです。両輪でやる、デジタルとアナログの共存、それぐらいせんと全ての主権者のための選挙になりません。
それから、SNS連携に関連した公費負担ですが、平成25年に公職選挙法を改正し、選挙活動においてインターネットを解禁していますよね。ただ、今のこの公費負担制度が、先ほど言ったような紙の印刷物やはがき送付といったアナログ前提で設定されています。でも、皆さんだって、動画配信、SNS広告、使っていますでしょう。それにもかかわらず、これらの活動に掛かる費用、「自己負担」。
つまり、資金力のある候補者ほど有利になるという、「金持ち至上主義」という不公平性が生まれています。せっかく法改正したインターネット解禁も、金がたっぷりある大政党のみ得をする、選挙もどっぷり経済格差です。ここに、デジタル庁に注視してほしいんです。選挙のときのSNS広告費、動画制作費、公式ウェブサイトやアプリの運営費など、公費補助の対象にしてほしいんです。どうでしょうか。厚労省とはすぐ連携しマイナ保険証を作りましたよね。だから、所管外なんて言わず、総務省と連携し、少数政党、無所属で立候補する人やイチ市民が立候補しても大政党と変わらずSNSで主権者たちに存在や政策を知ってもらえる努力、デジタル庁としてやってもらいたいんです。是非、検討お願いいたします。
午前中から、私、大変勉強になる質疑が続いておりました。大変ありがとうございます。子どもたちの積極的な政治参加のためにちょっと私、言わせていただきたいんですが、そもそもデジタルもAIも、発展させるには莫大な予算が掛かります。海外から高度な技術者を招くにも予算が掛かる。現実問題、最も発展しているアメリカとは予算の付け方が2桁も違う。
一方で、日本の現実は、先進国で唯一、この30年間全く経済成長していません。原因は政治の愚策です。ずっと景気が悪いのに、国民負担が増え続ける消費税は上げ続け、企業献金と組織票のご恩返しに大企業が払う法人税を下げ続けているからです。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」だった時代は、世界のGDPで17%を誇る経済大国、それが日本でした。今、日本国内のGDP、50%以上は個人消費によるものなんです。
しかしながら、7割近くの国民が生活苦しいと言っているこの状況において、デジタル庁に多くの予算を付けるには、徹底した経済の底上げをするしかないんです。そのためには、今すぐ消費税廃止、少なくとも今すぐ減税です。社会保険料は減免。全国民に現金給付をして個人消費を増やす。そのためにも、今こそマイナンバーカード生かすべきですよ。個人情報の徹底管理、政府の責任で作ったんでしょう。台湾のように、スマートに全国民に現金給付をするのが務めではありませんでしょうか。
最後になりますが、傍聴席にいらっしゃる10代の主権者の皆さん、そして配信をご覧の未来世代の主権者の皆さん、小学生、中学生、高校生だって、政治家に、政治にしっかり物申していいんです。皆さんだって、デジタルの力で政治を見張る未来世代の最高権力者なんです。国会議員や大臣という殻をかぶったおじさん、おばさんの巧みな「うそ」や「だまし」をしっかり見張っとってください。れいわ新選組と一緒におかしいことにはおかしいと声を上げて、みんなで笑って暮らしましょう。
大人の皆さん、みんなで一緒に子どもを守りましょう。終わります。ありがとうございました。
