2026年5月28日 環境委員会(ソーラーパネル廃棄リサイクル法案)「この法案、公助の中身が空っぽなんです」
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〇奥田ふみよ君
れいわ新選組、奥田ふみよです。
今日は「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案」についてお伺いします。午前中から各委員の皆さんからの質問とちょっと重なるところもあるかと思いますが、変わらぬ丁寧なご返答、お願いいたします。
私がこの委員会でも何回も質問しておりますように、れいわ新選組は原発の再稼働に反対しています。

原子力には頼らないで、主力は火力で賄いつつも、地域の皆さんの環境を考慮しながら自然エネルギーへの転換、それを目指しております。「(※)グリーン・ニューディール」という言葉ありますけど、そちらを目指している政党です。
(※)環境・再生可能エネルギー分野への大規模な公共投資により、気候変動への対策と雇用創出・経済成長を同時に実現しようとする政策パッケージのこと
そのために、メガソーラー、この巨大な太陽光発電にはもろもろの懸念点があると思っており、太陽光パネルの処理やリサイクルは非常に重要な課題であると考えています。
なぜなら、使用済みの太陽光パネルは2030年代後半以降には年間最大50万トンに達すると言われていますから、その大量廃棄に備えて今のうちからしっかりとリサイクルの推進を図るというこの方向性そのものは、我が党としてもそこは賛同しています。ただ、とはいえ、この今回の法案の中身を知れば知るほど、首をかしげる点がいくつも出てきます。
先日の参考人の方にもお伺いしたところなんですが、まず第一に、リサイクルするよりも廃棄をしたり埋め立てたりして処分したりする方が安いという現実なんですよね。
この太陽光パネルをリサイクルしたときの値段と、そして一方で、埋立処分にしたときとの値段のそれぞれの金額を教えてください。
〇政府参考人(中尾豊君)

お答え申し上げます。
環境省が実施したアンケート調査によりますと、太陽光パネルのリサイクル費用は1キロワット当たり8000円から12,000円程度、経済産業省が実施したアンケート調査によりますと、埋立処分費用は1キロワット当たり2000円程度からとの結果が得られているところでございます。
ただし、それぞれの費用は地域や事業者によって異なるものでございまして、先日の衆議院環境委員会の参考人質疑におきまして、参考人から埋立処分費用が1キロワット当たり6000円程度であるとの発言もあったと承知してございます。
また、リサイクル費用を埋立処分費用と同額、また、これより低額に設定しているリサイクル事業者も存在すると承知してございます。
〇奥田ふみよ君
ありがとうございます。
今の最初の、当初のその参考人のお話でしたら、リサイクルと埋立てでその処分費というのは最大で6倍の差が出るというふうに今承知しました。
リサイクルしましょうって言われましても、事業者がどっちを選ぶでしょうかね。経済的にその合理的な判断をしましたら、やっぱり埋めた方がずっと安いのではないでしょうか。
しかも、この太陽光パネルの重量の約60%を占めるのがガラスです。これを板ガラスとして高度にリサイクルをする場合には専用の設備が必要と聞いております。この設備の導入コストの金額、教えていただきたいんです。一基いくらでしょうか。
〇政府参考人(中尾豊君)
お答えを申し上げます。
環境省では、令和8年度予算にプラスチック資源・金属資源等のバリューチェーン脱炭素化のための高度化設備導入等促進事業として約73億円を計上してございます。その内数で、太陽光パネルをガラス、セル及びフレームに分離し、素材ごとにリサイクルをするための設備導入を支援してございます。
また、これまでも太陽光パネルのリサイクル設備の導入を支援してございまして、令和7年度は新たに2件の設備導入を支援したところでございます。
今ほど個別のリサイクル設備、どの程度の金額かというご指摘ございましたけれども、これ、これまで環境省で補助している実績から申し上げますと、かなり施設によりまして様々でございますけれども、直近のものでございますと、おおむね補助率が2分の1で補助金額が3500万から7000万弱というところでございますので、施設の金額としては7000万円程度から1億3000万程度となってございます。
〇奥田ふみよ君
7000万から1.3億円ということですね、一基当たり。ありがとうございます。
やはり、こんな導入コストかかる場合、やはり普通に考えて、この専用設備じゃなくて普通のシュレッダーで砕こうかとか、そういうことに業者はなると思うんですよ、普通に考えて。
そうなると、このカレットガラスという安い素材にしかならないらしいんですね。そうなったら、リサイクル事業としては全く採算が取れないと。で、技術コストもまだまだこれも課題だらけということですね。
この法案なんですけれども「技術開発や設備整備等の財政上の措置を設ける」と書いてありまして、先ほどちょっと参考人の方がちらりと数字はお答えいただいたようなんですけど、改めてお伺いします。
この令和8年度の設備導入補助はおいくらになりますでしょうか。
〇政府参考人(中尾豊君)
お答え申し上げます。
先ほどもご答弁させていただいたところでございますけれども、令和8年度予算では、先ほどの予算費目で約73億円を計上しているところでございます。
〇奥田ふみよ君
ありがとうございます。
この73億円という、これは丸々導入補助金というふうな考えで大丈夫でしょうか。
〇政府参考人(中尾豊君)
お答え申し上げます。
このプラスチック資源・金属資源等のバリューチェーン脱炭素化のための高度化設備導入等促進事業は、太陽光パネルのほかプラスチックやリチウムイオン電池、金属資源など高度リサイクル設備の導入を支援対象としてございます。支援対象ごとの補助額は毎年度の申請状況や審査結果に応じて柔軟に決定しているところでございます。
令和8年度予算におきましては、現在、支援対象事業は公募中でございまして、今後、有識者による審査等を経て決定する予定であります。
〇奥田ふみよ君

すみません、今のお答えで、じゃ、73億円、丸々この太陽光パネルのリサイクルに使うお金ではないという理解でよろしいでしょうか。だから、金額が曖昧というふうに私は今受け止めました。
先ほども言ったように、施設造るのに、導入ですね、一基1.3億円最大でかかるというようなその設備を73億円以下の補助金で全国に本当に広げられるんでしょうかと。全然足りないよ、というふうに私は思います。
今のままじゃ、事業者はリサイクルと埋立てのどちらが得なのかということを考えて、もう埋立てを選ぶと。それを止める力がこの法案にはないのではないでしょうかというふうに思います。
リサイクルコストと埋立てコストの差をやはり縮めなければ、リサイクルというのは進みません。
例えばですけど、国は今、ガソリン価格の高騰を抑えるために、政府が市場価格と基準価格との差額を燃料輸入業者の方に補助しています。そして小売価格を下げる仕組みを取っていますよね。
これと同じようなやり方で、リサイクルコストの一部を実質的に肩代わりするような、その差額補助制度など財政措置をされるのはどうでしょうか。大臣、これ、検討いただけないでしょうか。
〇国務大臣(石原宏高君)

今言われた差額を埋める制度を導入するということは、今考えてはおりません。
やはり、先ほどから答弁をさせていただきますけれども、九州電力とか北海道電力のようにコンソーシアムを立ち上げようとされていて、九州電力については、昨日、九州電力の関連の太陽光パネルについては全てリサイクルを進めたいということも発表もされております。
そういう中で、規模がある程度確保できると将来的にはリサイクル費用が下がってくる可能性がありますので、その中で対応してまいりたいというふうに考えております。
〇奥田ふみよ君
ありがとうございます。
ぜひ、この差額補助制度、検討いただけるようにお願いいたします。
次に、処理する場所についてです。政府が出したこの参考資料を見ますと、2025年11月時点で全国の専用リサイクル施設が87件と、処理能力は年間13万トンとあります。
ところが、この廃棄量のピークが2030年代後半に、先ほども言いましたように年間50万トンを超えると予測されています。今よりも3.8倍の処理能力が必要ということになってきます。
さらに、今、大阪府、滋賀県、富山県、山梨県、岐阜県、山口県、鳥取県、和歌山県、この8つの府県には専用のリサイクル施設、ゼロです。大阪もゼロなんです。
施設がなけりゃどこに持っていくのかと。遠くまで運ぶのか? 運搬コストは一体どこから出るのか? 過疎地とか山の中に置いてあるパネルは一体誰が費用を出して、一体誰が回収をするのか? というような様々なもう問題が出てきます。
法案は、今、この認定事業者が広域的にリサイクル事業を展開できるという特例をつくっているんですけれども、でも、施設がなければ意味がありません。そして、補助率も上限額も対象地域もこの法案のどこにも書かれていません。財政上の措置を設けるという、それだけなんです。これで本当に施設増えるんでしょうか。
廃棄ピークが来たときに処理をする場所がなくて、パネルが野山に放置される、不法投棄されるというような、そういう状況になってからでは本当に遅いんです。だから、今のうちからしっかり手を打たなければいけない事案だと思っています。
施設がない地域へ重点的な支援を行う、この設備補助の補助率と総額をはっきり示す、そして過疎地からの回収コストをしっかり補填する、これらを法律に明記することが最も重要だと考えますが、なぜそれを法案に入れなかったのか、大臣にお尋ねします。
〇国務大臣(石原宏高君)
将来の大量廃棄に備えて全国的に太陽光パネルの処理体制を構築するためには、リサイクル関連施設の立地していない地域におけるこの施設の導入などの財政支援は非常に重要だというふうに考えております。このため、本法律案では、国が財政上の措置等を講ずることを努めなければならない旨を規定しているところであります。
その上で、補助率を始め財政上の措置の具体的な内容については、リサイクル関連施設の整備状況やリサイクル技術の進展等、その時々の事態を踏まえた上で機動的に検討、設計する必要があるというふうに考えております。
このため、こうした内容について毎年度の予算要求編成プロセスの中で検討、設計することが適切であり、法律上に規定することはなじまないものというふうに考えております。
なお、環境省では、令和8年度予算において、太陽光パネルのリサイクルに関し、リサイクル設備及び保管施設の導入支援、再生材の価値向上の技術実証、収集運搬の効率化の実証等に要する予算を設置し、リサイクルを推進してまいります。
今後とも、必要な予算は適宜確保して、全国的な処理体制の構築に努めてまいります。
〇奥田ふみよ君
ぜひ、先手先手を打っていただきたいと思います。
次に、本法案では、リサイクルに向けた取組の数値目標や義務付けの具体的な内容は今後国が基本方針で定めるとなっています。また、多量廃棄者として規制対象となる事業者の要件は政令で定めるとされています。
さらに、判断基準も段階的に強化すると書かれているだけで、いつ何がどこまで義務になるのか、法律の条文には何も書かれていません。
そこでお尋ねします。パネルを造っているメーカーはほぼ海外の事業者ですよね。このメーカーや輸入事業者、彼らにリサイクルの義務はありますか。
〇政府参考人(中尾豊君)
お答え申し上げます。
この法律案では、太陽光パネルの製造業者と輸入業者にリサイクルを実施する義務は課されていないところでございます。
〇奥田ふみよ君
なぜ彼らにリサイクル義務を規定しなかったんでしょうか。
〇政府参考人(中尾豊君)
製造業者、輸入業者に太陽光パネルのリサイクル義務を課すことにつきましては、審議会の意見具申におきまして、太陽光パネルの使用が長期間に及ぶことを考えると、排出される時点で当該太陽光パネルを製造した製造業者が存在しない可能性があり、そのような場合には自ら製品を回収し再資源化を行うことはできないこと、2点目といたしまして、販売シェアが高い海外製造業者が自ら製品を回収し再資源化を行うことは困難と考えられることが指摘されてございます。
その上で、太陽光パネルの処分費用の負担者であって、実質的にリサイクルをするか否かを決められるのは太陽電池廃棄者となった発電事業者等でありますけれども、発電事業者に対して業界団体が行ったアンケートでは、約6割以上の者が実質的にリサイクルを検討していないという結果が明らかになったところでございます。
このため、本法律案では、経済合理性を踏まえつつ、太陽電池廃棄者、すなわち発電事業者等の責任を前提にリサイクルを推進する制度としているところでございます。
その上で、太陽光パネルの製造業者、輸入業者に対しましては、拡大生産者責任の一環としてリサイクルしやすい設計をした太陽光パネルの製造等及び含有物質情報の提供を求めていく観点から、本法律案において努力義務を課すとともに、資源有効利用促進法において国が定める判断基準に基づいた取組を義務付けることを検討しているところでございます。
〇奥田ふみよ君
ありがとうございます。
やはり、今話聞いていましても、この法案って海外の大企業にとってやはりおいしい法律なのではないかと思ってしまうんですよ。
結局、この法案、業者にはっきり言いますと造り逃げさせてしまうような、そういう盲点があると思います。環境に配意した設計に努めるだとか、情報提供に努めますだとか、そういう努めると今おっしゃっていましたけれども、努力義務ですか、おっしゃっていましたけれども、それって結局裏を返せばやらなくていいということにもなります。
EUでは当たり前になっています。先ほども発言ありましたけれども、拡大生産者責任ですね。自分が造った製品の廃棄コストは自分で責任を持つという考え方があり、その前提の下に様々な法律が作られていると。もちろん業者にもです。しかし、この法律にはそのカケラすらありません。
ちょっと時間が迫ってきましたので、もうひとつ質問したかったんですが、まとめに入っていきます。
今回、この法律が通ったとしても、実際に何をどこまで義務付けるかが確定しない、これでは事業者も自治体も、明確な見通しを持ち、設備投資や体制整備に踏み出すことすらできないのではないでしょうか。
といいますのも、基本方針では国が好きなように決められます。政令は国会を通さず変えられるわけです。積極的にリサイクルを進めるために、やはり軍資金が必要です。その軍資金、つまり公助がどれぐらいあるのかが分からない。

社会全体でこのリサイクルを前に前に進めるためには公助が何より必要です。その点から見たときに、この法律は公助の中身が空っぽです。
事業者も自治体も、公助が乏し過ぎる中でどう動き出していいか分かりません。結局何をすればいいんですかとなります。これで確実なリサイクルができるのでしょうか。
私は、ずっとこの環境委員会では原発の質問をさせていただいておりますが、今回の法律案も原発の問題の本質と同じなんです。
原発の過酷事故があっても、いまだに誰も責任を取っていない。しかも、自民党は、この過酷事故の責任取らずに再稼働をどんどん進めているわけですよ。
そのような自民党政府が今回の法案を通しても、結局ロクにお金を出さないんじゃないんですかというふうに考えてしまうんです。一体、このリサイクルコスト、お金の負担、誰が責任を負うんですか?これが問題の本質だと思っています。
廃棄コストは、全部発電事業者か、最終的にはまた国民に増税し、税金で回収するおつもりなのでしょうか。そこが明確化されないまま法案を通すことは、国民感情として不安しか残りません。れいわ新選組がこの法案に対する大きな懸念、それがここにあります。
2030年代後半まで本当にもう時間がありません。基本方針を定める、そして政令で定める、努力をする、その言葉を並べているだけでは、この廃棄パネルは山積みになります。
子どもたちにこれ以上、様々な環境のツケを払わせちゃいけません。午前中の水岡議員のお言葉もありました、これ以上問題を先送りにはしない。
そのために、もっと真剣にこのリサイクル法に取り組まれるのであれば、十分な軍資金がいる。とにかく公助。予算を回してください。人を増やしてください。そのことを今日も強く申し伝えて、質問を終わりにいたします。