2026年7月22日 憲法審査会(国民投票法改正案)「本国会最大の悪法のひとつです」
- 8月10日
- 読了時間: 9分
〇奥田ふみよ君
れいわ新選組の奥田ふみよです。

2021年に国民投票法が改正された際は、3年をメドにCM規制や資金規制等の措置を講じることが附則に定められました。しかし、今回の改正案では、与野党共にこの附則をあえて無視しました。
今回、附則4条のうち1項のイの開票立会人の関係、そしてロの投票立会人についての措置だけが盛り込まれました。その一方、2号に定められているCM規制や資金規制の措置はあえて盛り込みませんでした。
このままでは、この憲法改正を求める国民投票で、お金のある側がテレビやCM、ネット広告を垂れ流し、組織的な拡散を行って世論操作をもくろむことが可能です。今回の改正は、3年をメドにCM規制や資金規制の措置をするよう求めたこの附則4条2号の条文を無視した違法行為とも言えます。
さらに、新藤議員は6月11日の衆議院憲法審査会で問題発言をされています。
「3年をメドというこの期限を過ぎたら、CM規制や資金規制の措置を求める附則の規定は無効になるという考え方もあり得る」というのです。
新藤氏は次のようにも述べています。
「この附則4条につきましては、純粋法理論とすれば、所定の検討期限を経過してもなお引き続き規範性が残っている見方と、それから期限経過とともに法規範性は失われたという見方があり得るわけであります」と。
新藤氏は、できる限り速やかに検討を行って、必要な法制上の措置その他の措置を講ずることが望ましいとはいうものの、期限経過とともにこの法規範性は失われたという見方があり得るという以上、今後、CM規制や資金規制の措置をやらなくてもオーケーと認めたに等しいと思います。
ここで新藤議員にお尋ねします。
期限経過とともにこの規範性は失われたという見方があり得るということは「3年の期間が過ぎれば、CM規制や資金規制の措置を求める附則の定義は無効になる」という考え方もあり得るということなんでしょうか。
〇衆議院議員(新藤義孝君)
まさに委員が最初におっしゃいましたように、純粋のこの法理論として、法的理論上としては、そういったことがあり得るという見方があると、私が言ったんではなくて、そういう見方があるというのはこれ当然のことだと思いますよ。だって、3年をメドに、となっているんだから。

だけど、私たちが言っているのは、その法の理論上の有無ではなくて、そもそもこの附則というのは検討条項なんですね。
そして、その中で、この今委員が大事だとおっしゃっている国民投票運動に関する広告やインターネットを利用する有料広告の制限ですとか資金に係る規制、そしてネットの適正な利用の確保を図るための方策、こういったものについて検討すると、検討して、そして必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとする、これは法律で書いてあるじゃないですか。
私たちは、それに加えて、今回の衆議院で、ここに速やかな検討を行うべきだという私たちの決議をしております。
ですから、これは、投票の外形的事項を整えるだけでなくて投票の質を高めていくこと、これは、常にそのときの最善のものを求めるのは当然のことであって、その議論はしっかりしていきたいと考えています。
〇奥田ふみよ君
しっかり議論をしていきたいと思いますと言われますが、私は今聞いていて、本当にいろいろ巧みな言い訳をされているなとしか思わなかったんですね。3年の期限が過ぎればこの附則の効果がなくなるという考え方も、国会の場で示されているんです。
こんな考え方の発議者が憲法改正の条件を整備する法案を通そうとしているのはやはり民主主義にとって脅威であると言わさせていただきます。
そして、7月15日の審査会で田島議員が「『衆議院においては、第4条が掲げる施行後3年というこの検討期限のメドが過ぎていることから、法規範性は失われたとする見方がある』という見解が自民党の新藤筆頭幹事によって紹介されました」と述べていらっしゃいます。
本日採決しようとされているこの改憲準備法の発議者の意図が、CM規制や資金規制の検討を定めた附則4条2号の効力はもう失われたとみなして、開票立会人などの整備制度だけで改憲発議に突き進もうとするものであることを正確に見抜いたご指摘だと思います。

だとすれば、どれだけ附則4条第2号の規定に基づく法改正を求めても、発議者らがその法改正をしないまま、改憲を進めるためのアリバイづくりが本日採決されようとしている法案であることは明らかだと考えています。附則第4条2号の規定はそのまま残っているんですよ。(発言する者あり)

〇会長(長浜博行君)
ご静粛に。
〇奥田ふみよ君
法案の中身に問題はないなどと言って賛成されるのであれば、やはり私は危機感がなさ過ぎると思います。あるいは、合流を協議して他党と賛否をそろえるための苦しい言い訳なのでしょうか。そのようにしか国民には見えないのではないでしょうか。
そもそもの話をします。実態として、国民の多くが、憲法がなんなのかを知らない人の方が多いんです。学校でちゃんと教えていないんです。主権者教育がまるでなっていません。
「国会議員に憲法尊重擁護義務があり、国民は憲法に守られている」なんて教えられたことは私は一度もありません。学校で「憲法のここの条文が試験に出るぞ、暗記しとけ」というふうに言われました。私自身、そんな教育しか受けてきませんでした。
まともな主権者教育がないから国民の多くにこの「主権」の意味すら伝わっていない、これが現実です。この憲法改正準備法の意味すら理解できなくて、これ当然なんです。

一方で、改憲を望む国民は極めて少ないです。なのに、乱暴に雑に、改憲のためのこの法改正、なぜ進めなきゃいけないんでしょう。それは、主権者の自由を奪いやすくするため、言論を弾圧してますますコントロールしやすくするため、戦前回帰に突き進むためです。軍事に費やす国費はどんどん増して、国民に防衛や増税を強いて、今、戦前回帰の瀬戸際にある。本当に私は危機感しかありません。
どれだけの主権者にこの危機感を伝えられるか分かりませんが、知っていただきたいんです。主権者の皆さん、戦争をやるために、あなたから主権を取り上げ、総力戦の戦時体制を築いていく、この法整備が今まさにこの瞬間も着々と進んでいる、そこに気付いていただきたい。
この改憲手続法を成立させて何をしようとしているのか。もちろん、憲法を変えること。憲法を変えて盛り込もうとしているのは緊急事態条項です。緊急事態条項が憲法に入れば、政府の判断一つで国民の権利が停止され、議会のこの機能が骨抜きにされる、国民から選挙権を剥奪することになる。いつまでもあると思うな、選挙権。
緊急事態条項に反対する野党たちは、本気で与党政権と徹底的にあらがい、抵抗する気概を見せなければいけない局面です。改憲阻止を求めるのであれば、今回採決されようとしている改憲準備法のこの法案に賛成してはいけないんです。
れいわ新選組は野党第1党ではありませんが、絶対に改憲を許さない野党として先頭に立ち、あらゆる手を尽くし、徹底的に抵抗し続けます。以上です。
〇会長(長浜博行君)
ただいまの奥田君の発言中に不穏当な言辞があったように思われるとのご指摘がございました。会長といたしましては、後刻速記録を調査の上、適当な処置をとることといたします。他に発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。ご意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
〇奥田ふみよ君
れいわ新選組、奥田ふみよです。
会派を代表して「日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案」に反対の立場から討論します。
まず、この改憲準備法を通そうとしている憲法審査会、言論の自由の抑圧がひどい。中西与党筆頭理事が先日の幹事懇談会で、私、奥田の「裏金、泥棒、脱税」という言葉を取り上げ、根拠のない暴言だと非難。
さらに、先週、自民党は、私、奥田の発言を会議録から削除するよう要請。野党第1党の議員も、7月15日に、私の発言を修正するよう要請。国会議員の発言を会議録から抹消あるいは改変させるという言論弾圧だ。(発言する者あり)
〇会長(長浜博行君)
静粛に。
〇奥田ふみよ君
こんな憲法違反を許す審査会が改憲準備の法改正など言語道断です。当然、削除要請と改変要請には応じない。
さて、この法案は、憲法の国民主権を壊し、政府が好き勝手にルールを決め、戦争ビジネスに突き進むためのもの。その意味で、本国会最大の悪法の一つ。
今回の改正は、国民投票法が抱える附則4条2号を全く審議しないまま、体裁だけ整え、準備は整ったと改憲発議を強行するためのものでしかない。
国民投票法は、2007年の制定時から深刻な欠陥が指摘されてきた。最大の欠陥は、放送CM規制がほぼないという点。有名タレントが賛否の表明、意見を表明するだけの広告なら制限がない。インターネットやSNS有料広告規制も、そして国民投票運動に対する資金規制も全くない。
つまり、現行法は、お金のある側がテレビ、CM、ネット広告を垂れ流し、組織的な拡散を行って世論操作をもくろむことが可能。最低投票率の定めもないため、投票率が低く、少数の賛同しかなくても改憲が成立してしまう。
2021年の法改正では、3年をメドにCM規制や資金規制等の措置を講じることが附則4条2号に定められた。しかし、今回の法改正では、与野党共にこの附則をあえて無視した。なぜか。穴だらけのままの方が資金力のある組織にとって都合がいいから。この者たちは、緊急事態条項創設を糸口に改憲をもくろんでいる。
緊急事態を言い訳に選挙を先送りし、国民の意思を無視した政権に権限を集中させてしまう。戦争を始める準備であり、そして戦争ビジネスに突き進む土台となる。

何度も言うが、今回の法改正で現行法の欠陥、附則4条2号を意図的に放置し、自らに有利な仕組みで改憲を急ぐ与党のもくろみは明らか。
一方、野党は、附帯決議を付けて賛成すると言うが「ちょっとは抵抗しましたよ」という国民へのアピールにすぎないのではないか。法律の条文である附則に書かれたことすら無視する与野党です。附則、附帯決議なんか守るはずがないんです。
主権者の皆さん、附帯決議を付けて賛成とか、いいかげんにやめろ、そう怒ってください。この法案に賛成した議員一人一人の名前を忘れないでください。改憲の準備をした者たちを忘れないでください。
奥田ふみよは、最後の最後まで廃案を求め、与野党の改憲加担を暴き、伝えることを主権者の皆さんにお約束し、討論といたします。
〇会長(長浜博行君)
再びで恐縮ですが、ただいまの奥田君の発言中に不穏当な言辞があったように思われるとのご指摘がありました。会長といたしましては、後刻速記録を調査の上、適当な処置をとることといたします。
他にご意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。(発言する者あり)静粛にお願いをいたします。傍聴の方はご静粛に願います。これは決まりですので、傍聴席の皆さん、よろしくお願いいたします。(発言する者あり)ご静粛に。

これより採決に入ります。
日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕

多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
